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18世紀の天才時計師アブラアン-ルイ・ブレゲ。時計の歴史を２世紀早めたといわれる天才時計師。1747年スイスのヌーシャルに生まれ、1823年に76年にわたる生涯をパリで過ごし、1775年にセーヌ河畔に、ひとりの時計師として工房を設けてスタート。技術的発明、芸術的創意のほか、社会的洞察力経営的手腕など、あらゆる才能を発揮し、33歳にしてフランスで最も知られる時計師となった。 1783年には、王妃マリー・アントワネットの注文により、超複雑懐中時計「マリー・アントワネット」の製作に取りかかる。画期的な発明技術の集大成とも言える、その複雑にして美しいムーブメントを、スケルトンのダイアルで見せる最高傑作の複雑時計は1802年ついに完成するが、1789年のフランス革命により、王妃は頭断台の露となり、その美しい時計を見ることはなかった。 この世を去るまで約4000個の時計を作り、ブレゲひげゼンマイ、耐衝撃機構、ゴングスプリット方式のミニッツ・リピーター、スプリットセコンド、パーペチュアルカレンダーなどの機構に関わる発明からブレゲ・ポム・ハンドやブレゲ数字、ギョウシェ文字盤などのデザインまで、現代の時計技術の土台を作りあげた。彼なくしては、機械式時計の歴史は語れない。この多くの発明の中で最も重要なのが「トゥールビヨン」である。トゥールビヨンとはフランス語で「渦巻き」を意味する。 彼が残した偉大なる功績は今もなお継承され、その神話と名声は今もなお生き続けている。
